「揺れる気持ち」6/9(木) 今日のとと姉ちゃん 第58話(第十週) 第10週 「常子、プロポーズされる」 2016年06月10日 0 「朝はごめんなさい。美子の気持ちも考えずに叩いてしまって・・・」「私もごめんなさい。勝手なことを言って」「ふふ、よっちゃん。とと姉にも後で謝るのよ?」「いや。私、謝らないから」「ええ?どうして?」「だって、とと姉、私がお裁縫やっているの、御駄賃のためだって決めつけたのよ?許せないわ」「~~~そんなことで…」 そこに常子が帰ってくる。身構える一同。だが常子は心ここにあらずの風情で自分の席に座り込む。「とと姉?どうかした?」「えっ。ううん…。そうだ、これ。鞠ちゃん。…それによっちゃんも」箱を開けてみると鞠子には万年筆、美子には櫛が入っていた。「常子。自分用に貯めていたお金じゃないの?」「いいんです。よく考えたら私、そこまで欲しいものなかったし。あ、かか。私今日はちょっと疲れているのでお夕飯いりません」「「…」」---プロポーズのこと、家族のこと、とととの約束。ととの写真を見て考え続ける常子。そのせいか、翌日ひどい熱を出してしまう。「でも、私働きに行かなきゃ・・・」「だめです。体調が悪い時にきちんと休むことも家長の大切な役目ですよ」会社を休んだ常子。熱にうなされ夢を見る。---かわいい赤ちゃんを囲んでの星野との生活。幸せな光景にいきなりやくざが登場する。借金の取り立てだ。「ああ?もとはおめえの妹の学費のせいだろうが。おめえは結婚なんかしちゃいけなかったんだよ!」---「星野さん…」翌日も念のため休みを取る。そこに早乙女が訪ねてきた。「もう随分よさそうね」「はい、明日は会社に行けると思います。すみません。お仕事を休んでしまって」「…ここに住んでらっしゃるのね、あら、あれは?」「ああ、あれは私の目標なんです」「家族を守る、家を建てる、妹たちを嫁に出す…お嫁に行くの順番が違うのじゃなくて?」「あは・・・父になったつもりで書いたものなので」「ふうん、妹たちのためにそんなに頑張るなんて、・・・わからない感情だわ」「ご兄弟は?」「いません。うちはとても厳しい両親で。私自身も甘えることが嫌で自立した女性として生きていこうと決め、そう過ごしてきたつもりです。でも、現実はまだまだ…。女性一人の力で生きていくなんてできないわ。常子さんはとても厳しい道を選ばれたのね」つづく PR