「森田屋にひ孫発覚!」6/15(水) 今日のとと姉ちゃん 第63話(第十一週) 第11週 「常子、失業する」 2016年06月15日 0 荷物を整理し前へ出る常子。隣の席の多田の姿はない。「皆さん、今までありがとうございました。早乙女さん…あなたに会えなければ今の私はないと思っています…」「小橋さん。今の世の中、真っ直ぐに生きるのは難しいです…。でも、どうか、負けないで。頑張って」「…。今の私には、その言葉を受け止められません…」 ---気持ちを整え、森田屋の玄関を開ける常子。一方、森田屋では宗吉と照代が何やら密談をしていた。常子は二人に気づき挨拶をする。「おう、おかえり。早かったじゃねえか」「はい!あはは、実は、首になっちゃいました」「「!」」---夕食時。「そりゃあ、ひどいよ。そんなことでクビになんてどうかしてるよ」「あはは、でもこれで良かったかも。ほら、これより悪くなるなんて、もうないでしょ?」「…とと姉、無理して笑わなくていいのよ。一番つらいのはとと姉でしょ」「ええ?どうしたの、よっちゃん」「…わたし、学校辞める。辞めて働く」「…わたしも、大学を辞めるわ」「それだけは止めて。そんなことしたら、今までのことが全部ー…ううん、いいから。それは止めとこ、ね?大丈夫よ。絶対に働き口を探して見せるから」---青柳家へ来た常子。だが滝子は陸軍に呼ばれたまままだ戻っていないという。「大丈夫ですよ。他にも材木商が何人か呼ばれてるんでさ。あくまで商売の話ですよ」そこに滝子が帰ってくる。「・・・ああ、常子・・・」ふらっ「おばあさま!?」「女将さん!」「母さん!」---寝込む滝子を見守る三人。「すまなかったね・・・」「女将さん、陸軍の話は一体…」「…お国のために死ねってさ…。戦争のせいで材木が慢性的に足りないらしいんだ。公正価格の半額で供出するようにとのお達しだったよ」「半額!?・・・そんな、むちゃくちゃだ・・・」「そんな…。お断りすることはできないんでしょうか」「相手は軍だ。そんな相手に誰が断ることが出来るんだい…。そういえば、今日は商店街の寄り合いがあったね。行かなきゃいけない」「女将さん!あっしや清さんが出ますから、ひとまず女将さんは身体を治してください」「そいつあ、ならないよ。この深川の商店が集まる大事な会議だ。私が顔を出さない訳にはいかないだろ」---寄り合いの席。末席に常子の姿。まつ「ええ?滝子さんが心労で倒れたって?」「はい、それで、心配で私も付いてきてしまいました」「そうかい。倒れるのも当然だ。私だって倒れちまいたいくらいだよ」滝子「それでは、これから話し合いを始めたいと思います。今回はこの青柳が仕切らせて頂きます」清「この時世で、話し合わなければならない問題は山積みです…。こんな時こそ、この深川商店の組合、みんなで力を合わせて…」「待ってくんな!…悪いが、俺はもう抜けるぜ。商売替えをするんだ」部屋中がざわつく。「こんな状態じゃまともに商売なんてできやしねえ…。仕方ねえんだ」「・・・私も、申し訳ないが辞めさせていただく」驚きの声。老舗の材木商だ。マツ「そんな!あんたんとこはうちの一番のお得意さんじゃないか。もうちょっと堪えて・・・」「森田屋さんには世話になった。だが、もう決めたことだ」「・・・」ざわざわざわ。滝子「他に、廃業する店はもうないかい?」照代が宗吉の肩を突く。だが、躊躇する宗吉。滝子が再び話し出そうとした瞬間、見かねた照代が手を上げた。「はい!・・・森田屋も商売替えをさせて頂きます」---森田屋に帰ってきた一同。家にいた面々に常子が事情を伝える。「あたしゃ、認めないよ!こんな・・・こんな・・・」「お義母さん」「ひどい嫁だよ。勝手にうちの看板を潰そうなんて…宗吉!お前なら、私の気持ちを分かってくれるよね?」「…母ちゃん…。俺も、照代に賛成だ」「!」「もともと照代と話して決めていたんだ。だけど俺が意気地がなくて言い出せないのを照代が代弁してくれたにすぎねえ。母ちゃん、もうここで商売はもう出来ねえ。高崎に行こう」「お義母さん、もううちはここの家賃すら払えないんです。高崎なら軍の工場が出来て、人も集まってお弁当の注文がもらえるはずです」「ほら、照代の兄ちゃん。あの人が高崎で商売をしていてな。一山あてたんだ。相談したら手伝いに来てくれって言ってくれたらしい・な?ヘソまげてねえで。時代が変われば、いつかここに戻ってこれるさ」「うるさいよ!誰が・・・誰が行くもんかい!ハッ、もしかして富江・・・それに長谷川、お前たちも知っていたのかい?」気まずそうな二人。「一族郎党に裏切られるなんて・・・ああ、年は取りたくないよ・・・ッ」立ち去るマツ。「・・・君子さんたちも、ごめんなさい。こんなに急に」「・・・そんな・・・、私たちはお世話になっている身ですから」「済むところは方々当たって探しますから」「いえ、青柳の家へ、ご厄介になります」「…私たちのことは、心配なさらないでください」「私はまだ認めちゃいないよ!どうしても出てくってんなら、私をころしてから行きな!」「お義母さん!!どうしても、今行かなければいけないんです。・・・富江のお腹には赤ちゃんがいるんです」「え・・・」マツと同時に驚く宗吉。「ええ?お、おい。富江!?」コクリ、とうなずく富江。すると隣にいた長谷川が急に土下座をした。「ご、ごめんなさい!!大将!富江さんと結婚させてください!」つづく感想どんな時でも希望はある。生きてれば苦しいことも悲しいことも嬉しいことも順繰りにやってくるんですねぇ。少なくとも、これで森田屋は踏ん張れる。まずはプライドよりも生き抜くこと、にマツさんも切り替えられるはず。陸軍の通達は滝子さんにだったんだね。清を取られずホッとしたよ~。でも青柳家はどうなるのかなぁ。ヤミに手を出さなきゃどうにもならん気がするけど。でもそれを越えても大空襲があるしなぁ。材木なんて残るのかなぁ。滝子ばっちゃの演技が素晴らしいよ!心労が本当に響いてるね…もっと厳しくなってけど、どうか戦争を生き抜いてほしいです。 PR