「森田屋の門出」6/17(金) 今日のとと姉ちゃん 第65話(第十一週) 第11週 「常子、失業する」 2016年06月17日 0 祝言の宴が始まった。両家の両親や深川の人たちを呼んでの宴会だ。お酒も回り、みんな盛り上がっている。そんな中、照枝は忙しく台所仕事をこなす。常子「私が変わります。照代さんは花嫁さんのお母さんなんだから」「うふふ・・・外で働いている人には分からないかもしれないけど、私みたいな家で働く主婦は寝ている以外は働いていないと落ち着かなくって。あ、嫌味じゃないのよ?」「・・・。あ、でも私も~・・・落ち着かなくって」「うふふ。じゃあ、お酒はこぶの、手伝ってもらおうかしら」---「おい、新郎!こうしてみんなが祝ってやってんだから、ちったあ、固い話でもしてみちゃあどうだ」「そうだそうだ」緊張した顔で立ち上がる長谷川。「え、えー・・・、それじゃあ、僭越ながら・・・わたくしから一言、お話しさせて頂きます。ゴホン、や、『柳のような生き方をしたい』と思っています」「はあ?」「何言ってんだ?」「長い人生、嵐がくることもあります。そんな時でも柳の気は風を受けながして無事にやり過ごす。そうすれば、いつか必ず青い空が拝める日がやってくる。あっしぁ、まだまだ半人前ですが、一生懸命家族を守っていきたいと思います!」常子「・・・」「へえ、いいこと言いうじゃねえか」「おう、なかなかだ」嬉しそうに手を取り合う新郎新婦。---富江に三姉妹が話しかける。「ねえ、どうして長谷川さんを好きになったの?」「うん!気になる!」「えーっと、…実は鞠ちゃんの制服を着たのがきっかけなの。あのあと、長谷川さんが照れながら『鞠子さんより富江さんのが似合ってたよ』って言ってくれて。私のことを気にかけてくれる人なんて初めてだったから、それがきっかけで気になっちゃって」「ふーん・・・。じゃあ、私が制服似合わなかったからこその結婚だった訳?」「あら?おかんむり?」あはは。笑いの花が咲く。---そして、引っ越し。こうした日々を過ごすうちに常子の失職の傷もゆっくりだが癒えていっていた。がらんどうになった家の中にぽつんとマツが座る。傍には常子が。「・・・こうして何もない家を見ると、本当にここで住んでいたのか、何だか信じられなくなっちまうね・・・。ずっと、ここで弁当を作り続けれると思ってたのにねぇ。ご飯をたいて、魚を焼いて・・・そんな、そんな、当たり前のことを、ずっとやっていきたかったよ」言葉が嗚咽に染まる。いつの間にか宗吉がやってきて、隣に座った。「すまなかったな」「・・・」常子「・・・時々、様子を見に来ます。お掃除をして、お手入れをして。いつか、森田屋さんが帰ってきても住みやすいように」「・・・。ありがたい話だけどね。不要だよ。あたしらが東京に戻ってくるときは、もっと大きな家に暮らすからね。」---とうとうお別れだ。挨拶を交わす。滝子も駆けつけてきた。でも締めっぽいやり取りはせず、いつもの憎まれ口の言い合いをし皆に笑顔が戻った。「いつか、必ず会おう」そう言い残して森田屋は明るく旅立つのだった。つづく感想!とと姉ちゃんは本当に伏線のはり方というか、助走をけっして焦らずにゆっくりじっくり用意するのがうまいなぁ。まつさんの「当たり前の生活」は深く常子の心に刺さったことでしょう。昨日に続き、富江ちゃんにやっぱり違和感が。気にしてるから気になるのかなぁ。なーんか、話し方が今の子っぽくて。初期にお気に入りだったのは単に口数が少なかったからなのかしら?マツさんには泣かされたし、いいシーンだったんだけど、宗吉さんがマツさんの背後にカットインした時は笑えた。お尻!大きすぎない??いよいよ就職活動か。ぐっさん登場は最終日になったね。 PR
「折れていく想い」6/23(木) 今日のとと姉ちゃん 第70話(第十二週) 第12週 2016年06月23日 0 社長が今日発売予定の雑誌のことで警察に捕まった。自分がユニーク特集を押したからだ…自分を責める常子を五反田は賛成したのは皆なんだ、と励ます。そして書店に出回った雑誌をとりあえず全て回収し、これからどんな事態になっても対応できるように指示を出す。---仕事に復帰し始めた滝子。君子に「宿舎をうちが請け負ったら、きっと前みたいに賑やかになるよ」と希望を話す。その様子に嬉し気な君子。隈井が組合から帰ってくると捕まえてさっそく、宿舎についての詳しい内容を聞き出そうとする。だが隈井はどうにも歯切れが悪い。・・・何かを隠しているのだ。---回収騒ぎの中、ある程度のめどがついたところで常子は返された。五「この騒ぎは長丁場になるかもしれない。それを見据えて体力を温存しておくことも大事だ」それに納得し帰ってくると、美子が玄関に座っている。なんでも滝子に言われ、清が帰ったらすぐに知らせてくれと頼まれたそうだ。「え?なんで?」「さあ?」そこに清が帰ってくる。「おばあちゃまー!清さん、帰って来たよー」「え?ええ?何事?」---怒っている滝子。「清、あの宿舎の話、取りやめにしてもらう」「えっ!そんな・・・だって明日には設計の者と話を詰める約束なんですよ!」「隈井に聞いたよ。何だい、あれは・・・!四畳半に4人も詰め込んでるじゃないか。しかも予算があれっぽっちじゃ、まともな材木は手にはいりゃしないよ。うちはね、お客さんのために、その暮らしを守っていけるような家を建てる、それを誇りにやってきたんだ。こんなのは青柳の仕事じゃないよ」「・・・いい加減にしてください!」「「「・・・」」」「おかあさん、今は非常の時なんです。普通のことをしてたらとてもじゃないが稼げやしない…。この前、お母さんが受けられた仕事だってそうです。とても採算なんてとれない。それじゃあ、やっていけやしないんですよ・・・!」「・・・あっしも、清さんに賛成です」「!」「女将さんは看板を守ると言いますが・・・今はどんな仕事も受けて・・・何とか店を維持していくっていうのも看板を守っていくのには必要なんだと思います・・・」沈黙が降りる。滝子「・・・とにかく、この仕事は駄目だ。断るよ」---広い玄関でひとり膝を抱える清。隈井と君子がそっと近づき膝をつく。「清さん、すみません。女将さんにはくれぐれも内緒にと言われていたのに…、あっしが隠し事が下手なばっかりに」「・・・いや、いいんだ。これでおかあさんに隠し事をしないですんだ。・・・でもお母さんはきっといつまでも僕を跡取りとしては認めてくれないんだなぁ」一方、滝子も一人仕事部屋で時を過ごしていた。---翌朝。朝食に顔を出した滝子。表情はにこやかだ。「「おはようございます。」」「お母さま、もっと休んでいてください」「おはよう。・・・清。宿舎の話だけどね。受けちまったものは仕方ない。お前に任せるよ」「・・・」そうして笑顔で立ち去る滝子。---常子が会社に付くと、山のような雑誌が運ばれていた。全て回収できたらしい。そこに社長がやってくる。「社長!!あ、そのアザ・・・!」「名誉の負傷だ。いろいろ、すまなかったな」「ところで、雑誌の件は」「・・・出版の許可はもらってきた」「「「!」」」「・・・ただし、条件付きだ」「条件?」「こういうことだ」そう言って雑誌を開き、破く。ユニーク企画。あの可愛らしい家の絵も。社員たちは無言で社長に倣い、ページを破いていく。そして常子も・・・。時代の大きな流れに常子の想いは飲み込まれてしまったのだった。つづく感想!いつもトンチンカンな事ばっかり言うヤナギ―だけど、今日はまさにずばり、だったね。ページを自分たちの手で破って捨てるというのは、権力に屈して自分の想いを自ら捨てることの寓話なのだね。とと姉ちゃんはやっぱりすごいね。簡単に泣かせないところも素晴らしいと思う。そんな軽い感情じゃないし、その方がもっと悔しさが表現できてる。また青柳家騒動も胸に迫った。語らなくても、ひろーい家の暗い玄関に清をぽつりと置くだけで、清が一番守りたいのは「賑やかだった頃の青柳家」なんだって分かる。どっちも間違ってなんかないのにね。だから余計悲しいよー。意外だったのが清のお義母さん評。滝子が臥せってから、少しだけ仕事に復帰するまで、もう後は老いていくだけのかつての巨人を見守る感じ(どんなだ)なのかと思ったら、未だにちゃんとばっばを目上に見てたんだね。養子のいきさつは知らないけど、下手をすると君子以上に滝子にコンプレックス?感情のこじれがありそうだねー。その辺は明らかにならないのかな。