「祖母のとなりで勉強中」 4/22(金) 今日のとと姉ちゃん 第16話(第三週) 第3週「常子、はじめて祖母と対面す」 2016年04月22日 0 祖母に付いてお客まわりについて来た常子。「あの、私は何をすれば…」「黙って見てりゃいい」「…」まわりを見渡す常子。すると、店の主人が駆け込んできた。「これは青柳さん、お待たせしてしまって申し訳ない」「挨拶はいいよ。…それよりも、支払いがずいぶん遅れてるみたいだけど?」「それなんだが…もうちっとだけ待っては貰えねえかい?近い内に金が入ってくる宛はあるんだ」「…。邪魔したね」そう言って立ち上がる滝子に慌てて常子も続く。---「どう思う?」「え…先ほどの支払いを待ってほしいという話ですか?大丈夫だと、思います」「ほう?どうしてだい」「あのお店は掃除もきちんとされていたし、女中さんたちもきちんと仕込まれていました。きっと大将がしっかりした方だからだと思います。そうしたちゃんとしたお店なら口先だけでごまかすような商売はしないはず。大将の話も信じていいのではと思います」「…。そうかい」---君子。神社にお参りに来ていた。ずっと仕事を捜し歩いているものの、未だに見つからないのだった。---鞠「ただいまー。はー…。まいっちゃうな~。…あ、聞こえちゃった?大変っていうのは仕事なんだけどね。まあ100件営業に行ったくらいで根を上げちゃあいけないよねえ」常「わかった(笑)清さんでしょ?」鞠「うふふ」美「だめー!とと姉ちゃんは赤ちゃんなんだからしゃべっちゃ!ほら寝てて。まあ~、大変でしたわね。今ごはん、ご用意しますわ」姉妹は美子のおままごとに付き合っていた。常「…ね、でもおばあ様って気前がいいよね。美子にはおもちゃ、私たちにはハンカチをくださって」美子の手にはおままごとのまな板に包丁、そして自分の胸元にはよだれかけに見立てたハンカチがひらめいている。鞠「そうそう。それにちょっと不思議なんだけど、きちんと私たちの好みの色をくださったし」美「だーかーら!赤ちゃんはしゃべっちゃ駄目なのー!」そこに滝子が通りかかる。「あんた達、勉強はもう済んだのかい?」常「は、はい。今はちょっとした息抜きというか…」「じゃあ、常子ちょっと付き合いな」「え?」「仕事だよ」---青柳商店。客の相手を滝子がしている。「いやあ、面白かったよ。浅草は。この前、若いのと遊びに行ったんだけどねえ」「まあ、そんなに楽しいならぜひ私も連れて行ってくださいな。よろしければ、この常子も」「は、はあ」なごやかな談笑もきりが付き、脚が腰をあげる。その時に何でもない感じに滝子が一言。「ところで、浅草にはどなたとご一緒されたんでしょうかねえ?」「ああ、下川屋の若旦那さ。青柳さん、じゃあよろしくお願いしますよ」「ええ、お任せ下さい。天然乾燥のいい木材をご用意していますので」「ははは、これは頼もしい!やっぱり新築には木曽のヒノキを使いたくってねえ」「出来上がりを楽しみになさってください」---「隈井」「へいっ」「?」客が帰るやいなや、番頭を呼びつける滝子。「下川屋とは…もう潮時かもしれないねえ」「へえ」うなずく隈井。「行くよ、常子。外回りだ」「は、はいッ」---「先ほどの話はどういうことだったんですか?」「…。最近、あちこちで遊びに行った相手を聞くと、下川屋の二代めの名前があがる。噂には聞いてたが、本物の道楽者だ。あんなのが二代目についたら、あの店も先はないだろう。やけどをしない内に手を引くのが一番なのさ」感心する常子。そして何かを考え込む。「!・・・おばあさまのお仕事は、あちらこちらで情報を集めて、先行きを判断することなんですね」「・・・」「あ、違いましたか」「いいや、違わない。大当たりさ。はっはっは、大した子だよ、あんたは」---青柳商店。隈井「これ、化粧しとけ」「ヘイッ」コソコソと動く気配を感じ、隈井が振り向く。「どうした、何かあったのか?」その中で一番目上の者が答える。「いや。大丈夫です。あっしが話を付けときやしたんで」「・・・」男たちが立ち去っていく。気になりながらもそれを見送る隈井。男たちのいたところにはきれいに仕上げられた柱が置いてあった。---「君子は浜松では何の仕事をしていたんだい」「染物工場の女工です」「給金は?それできちんと食えてたのかい?」「いえ…でも、父が亡くなってからは会社に援助してもらっていたので、何とか」「…そうかい」ふと見れば子を連れながら重い荷物を抱えている母親が向こうで歩いている。その様子を見ながら滝子はいった。「何の力もない女が生きていくには、今の世の中は不便だね。ごく普通の暮らしをすることもままならないんだから…。私はね、ごく普通の暮らしを守ることが、私の仕事なんだと思っているんだよ。そのために壊れないような丈夫な柱を作ってあげる。それがまあ、この仕事のやりがいっていうか、意地なんだ」「・・・素敵なしごとですね」「ええ?よしとくれ。お前にそう言われたくて言ったわけじゃないんだ」「いえ。父もよく言っていました。なんでもない日常こそ、大切でいとおしいって…」「そうかい。…行こうか」---店に帰ってきた滝子と常子。それと入れ違うように奥に消えていったのは従業員か。立ち去り際に「よかった。あの2人に知れたら面倒なことになってたからな」と聞こえた。立ち尽くす滝子。すると、きっと表情を変え裏口へとさっそうと歩いていく。裏口に出ると横たえた柱の前にひとり、男がいた。「おかみさん!」「戸田」常子が遅れて裏口へやってきた。きれいに仕上げられた柱を見て歓声をあげる。「わあ、きれい!」「あんたに聞きたいことがある。これが木曽のヒノキなのかい」「…」「どうなんだい?」「いえ、ひばです」常子「ひば?」騒ぎに隈井も駆けつける。「こいつぁ、ヒバじゃねえか。おい、どうしてこんなことになった!?」「…ここまで仕上げてから、気づいたようで…。でも、女将さん。正直なところ客にゃあヒノキもヒバも見分けがつきやせん。青森産のヒバだって木曽のヒノキに負けないくらいの高級品です。このままこれを送らなきゃ、うちは大損ですぜ?このヒバもみすみすゴミにしちまうようなもんだ」「寝言言ってんじゃないよ!!いいかい。お客さんが木曽のヒノキっていったら、青森産のヒバだろうが何だろうが、それ以外は送っちゃいけないんだよ!うちはそうやって200年、ずっと看板を守ってきたんだ。お前はその看板に泥を塗る気かい?ええ!?」「・・・!」隈井「何やってんだ。さっさと動いて明日までに仕上げろ。さもねえとお前くびだぞ」慌てて走り出す戸田。戸惑う常子に、にこりと滝子は笑いかけた。---「お母様、君子です」「ああ、入りな。悪かったね、忙しいのに呼び出して」仕事の手を止め君子の前に座り直す滝子。「いえ。ところでどう言った御用ですか?」「常子のことさ。あの子はいい。頭もいいし、機転もきく。人を見る目もある。はっきり言おう。あの子を清の嫁にしようと思っているんだ。そして店を任そうと思う」そんな話がされているとはつゆ知らず、常子は美子のままごとに付き合って笑い声をあげているのだった。つづく感想!常ちゃんに嫁話きたーーー!いや、これも悪かない話だと思いますよ?清さんもかわいいし、おばあさんとも気が合うし。ただそうなると、雑誌が作れなくなっちゃうからね。この話は白紙でしょう。そうなると、これ以上この家にご厄介になるわけにゃいかないわな。公式バレの通りになってきましたな。今日の注目:鞠ちゃんのものまね超絶可愛い。 PR