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今日の とと姉ちゃん【感想・レビュー・あらすじ・朝ドラ】なゆログ

NHKの2016朝ドラ「とと姉ちゃん」のあらすじ・感想・絵日記。他にも関連情報をご紹介します。

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三馬鹿・長男がふてくされて泣いてるよ 4/18(月) 今日のとと姉ちゃん 第13話(第三週)


君子「18年前 いろいろあってね。 かかとおばあ様は 仲たがいしてしまって、そして私は 家を飛び出したの。

その時もう二度と会わないと心に誓ったわ」

「じゃあ、おばあさまは まだお元気で…」

「ええ。母の家はは東京の世田谷にある材木屋なの。

父が亡くなってからは、母がひとり切り盛りして私を育ててくれたわ」

美子「かかと一緒だ!」

苦笑する君子。

「そうだけど…。母はとにかく厳しい人でね、いろんなことを自分で決めてしまうの。あれを習え、これを習え。ついには結婚相手まで。

母にとっては昔から続く材木屋を守ることが何より大切だったのね。

自分で選んだ婿入りしてくれる男の方と私を添わせようとしたのだけど、私には その頃すでに竹蔵さんという気になる方がいたから。そこはきっぱりと 拒んだの」

美子「ととのことだ」盛り上がる姉妹。

「その結果、だったら出ていきなさい、と言われてね」

「「「…」」」

怖そうな祖母の話にみんな黙り込む。

「それから一切会わないつもりで浜松に来たの。

もう連絡しないつもりだったんだけど、情けないことで私のお給金では みんなの学費まで工面できなくて…。貯金ももうわずかになってしまったし。

手紙は出したものの、返事がないことも覚悟してたんだけど、かかは返事をくれてね 。

荷物まとめてこっちにおいでって。

私は電話で ありがとうございますって伝えて―」

気づいたように常子が口を挟む。

「ということは、私たちは東京にいくということですか?」

「ええ。私の実家に」

展開の早さについていけない姉妹の様子にようよう気づいた君子。慌てて言葉をつなぐ。

「あ。もちろんあなた達が賛成してくれたなら、なんだけど…どうかしら?」

「「「・・・」」」


---


寝室


「どうしたもんじゃろの~。

・・・毬ちゃんどう思う?」

「よく分からない。でも今までだって、ととがいなくてなんとかなったんだし。これからも皆で力を合わせれば、何とかなるんじゃないかなあ」

「生活はね。

でもこのまま 浜松にいたら、学校に行けなくなるのは確かね」

「…。そんな、わたし…」

「前にね、かかが言ってた。私たちが学校に通うのはととの願いなんだって」

「トトが?どうして?」

「学校でいろんなこと学んでほしいんだって」

「へえ。

…だからって…、かかがずっと仲たがいしてたおばあさまと一緒に暮らすなんて ちょっと心配」

「大丈夫よ かかのお母さんだもん」

美子「ねえ、東京には美味しいものある ?」

「! そりゃあ、あるでしょう。都会だもの」

「じゃあ、わたし東京にいく!わたしハヤシライス食べたいんだ♪

あと、サンドイッチに、クリームパンも」

「もう(笑)よっちゃんは~」

「 あとオムレツでしょ。他にも・・・」


---

台所で朝食の準備をしている君子。

姉妹がそろってやってくる。

「おはようございます。
夕べ、遅くまで話し合いました。

東京で、おばあさまのお世話になりたいと思います」

驚きと喜びの表情を浮かべる君子「いいの?」

「はい。

…本当は心配も不安もあります。でもカカを育てた人だから、どうしてもお会いしたいなって。

それにどんな人かは会ってみないと分からないし」

美子「私はハヤシライス♪」

君子「え?」

「くすくす。昨日東京に行ったら何が食べたいかって話になったんです。そしたら寝るのが遅くなってしまって」

鞠子「私はワッフルかな」

美子「それはわたし~!」

常子「じゃあ、わたしはプリン」

「それもわたし~!」

くすくすくす。

そうして、引っ越しが決まった。

------

引っ越しの日。

近所の人?にも手伝ってもらい大忙し。走り回る常子。

「お願いしますね」「かか手伝います」

そうした中で見つけたのは箱に入ったたくさんの貝殻。

「これ、懐かしい~!」

美子「? なんなの?」

「昔みんなで集めたのよ。ととも一緒にお出かけしてね。誰が一番大きな貝殻を集めるかって競争して。」

美子「…全然覚えてない」

常子「あー・・・あっ!この一番大きいの見つけたのよっちゃんなんだよ。
ととすっごい褒めてさー」

「そうそう!」

「ほら、耳に当てておーい、波の音が聞こえるぞーってやってね」そう言って貝殻を耳に当てる常子。

美子「・・・ほんとだ、聞こえる!」

「じゃあ、私も」「私も」みんなそれぞれ、貝殻を耳にあて、目をつぶる

ざざー・・・

ゆったりした波音が聞こえ・・・

おほん!

「あのー、まだかいや~?」遠慮しながら声を掛けるおじさん。

「ああ!ごめんなさい!」

そうしてまた片付けを再開!!

ふじさん、ふじさん…掛け声をかけて運び出す。

ピカソの絵も持っていき、家訓もしっかり包んで。もちろん家族の写真も大切にしまいます。

そうして、全ての荷づくりを終え、荷物をリヤカーで男たちが運んでいった。

見送る君子・美子・鞠子。「ふう、戻りましょうか」

家の中には先に戻っていた常子が柱を触っていた。

家の中はからっぽになってしまっても、思い出は残ったまま。

何よりも竹蔵との思い出がたくさん詰まっていた。

「常子?どうしたの?」

常子は畳の上で一人正座をしていた。

「んー…ととのこと、思い出してただけ」

その言葉に、みんながゆっくりと座り込む。正座で。

そうそれは、かつての自分の居場所。

竹蔵がいた頃の食卓での座っていた場所だった。



(いただきます)

(とと、おいしい?)

(おいしいです)

懐かしく大切な思い出。


それをしばらくの間だけ、噛みしめて常子は立ち上がる。みんなも。

そして思い出をいくつ染むように丁寧に家の掃除を始めるのだった。

「ありがとうございました」

家に感謝を込めて。

つづく


感想!


ラストは反則です。

あの畳が食卓なんて、全然気づかなかった。

簡単に泣かない家族にも余計にグッときます。そうですよね。もう竹蔵の死から数年が経過し、悲しさは丸くなって優しい思い出として残っているんでしょう。

泣かそうとするべたなドラマの数倍泣けます。

こうしたリアルさに弱いんです。

年をとってからドキュメントにめっぽう弱いの。

それにしても、恋の火が付いた玉置長男、完無視でしたね(笑)

まあ、尺的にムリだし流れが乱れるから、致し方ないんですが。

花アンみたく幼馴染再開ルートが出てくるんかな?今後に期待~!



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公式サイトのあらすじ

母・君子(木村多江)の突然の告白により、祖母の存在を初めて知る常子(高畑充希)。結婚を巡り絶縁していたが、生活に窮する今、わだかまりを捨て援助を乞うたのだという。三姉妹は竹蔵(西島秀俊)との思い出の地に別れを告げ、新天地へ向かう。着いた先は、東京・深川。祖母・滝子(大地真央)は老舗の製材問屋「青柳商店」の大女将だった。初めて見る祖母に喜ぶ常子たちだが、一方で君子は滝子の思惑を知り、再び対立する…。



雑誌創刊には、東京に拠点を移すのは必要不可欠。いよいよストーリーも役者が出そろって本格的に進んでいくんでしょう。

しかしながら、静岡でのロケがあまりに美しすぎて、残念な気持ちがあるのも正直なところ。

あと随所に出てくるとと との思い出も段々出てくることは減ってくるんでしょうか。
記憶は段々と薄れていく…人としても自然な流れではあるものの、寂しいよ~~~!ととーー!

予告で、「常子にうちをついでもらう」なんて感じのことを真央さんが言ってらっしゃってましたね。

押せ押せで元気な常子とチャキチャキおばちゃまは馬が合いそうな予感がします。
始めの波乱をどう乗り切るか、楽しみです。

ばば様登場! 4/19(火) 今日のとと姉ちゃん 第14話(第三週)

荷物を目いっぱい抱えた常子達。
小橋の表札を手に取り、感慨深げにしていると「常子ちゃーん」
「工場のみなさん!」
「お見送りだけになってしまって申し訳ない。どうか向こうでも元気に過ごしてください。…あ、社長!」
木の影に隠れる社長。
「もう!社長、ずっと小橋さんたちが引っ越しするのは自分のせいだって気にしてて。今日も来ないつもりだったんです」
「来る前に一杯ひっかようとしてたんで、慌てて止めて「ああ、言うな、言うなっ」
申し訳なさそうに出てくる社長。
「そんな…、お気になさらないでください。今まで本当に良くして頂いて、私たちにはただただ感謝しているんです。ありがとうございました」
頭を下げる家族。
「身体だけは気を付けて。頑張ってのう」
そうしている内にまた別の声が聞こえる。「常子ー」「鞠子ー」学友たちだ。
「寂しくなるに―」
「うん…。あ、またオモシロイあだ名を思いついたら、手紙で送るね」
「うん」
犬をつれて大家さんも見送りにやってきた。
「浜松に来ることがあったら、顔見せてや」「はい」
「皆さま、名残惜しいですがこれで失礼をいたします。
本当にありがとうございました」深々と頭を下げる君子。姉妹もそれに倣う。
---
砂浜で染物の仕事をしている玉置長男。でも手は止まり、ぼおっと何かを考えているようだ。
「あのー」
「?」声をかけられた方を見ると、なんと常子が!
家族と一緒で、みんな手にはたくさんの荷物を持っている。きっと汽車へ向かう道行に寄ったのだろう。
次男「あ、おめえ。何しにきたんだよー!!」さっそく絡んでくる次男。
それを叩いて、常子に詰め寄る。
「・・・ちょうどよかった」
ん?怪訝そうな顔をする常子。次男も三男も??といぶかし気に長男を見ている。
「餞別に…やる」そう言ってずいっと布地を常子に差し出す。
広げてみると淡い色合いで花などが描かれている手拭いだった。
「俺が、染めたんだ」
「へー、きれい」
「う、運動会で手拭いもらったからっ、その礼だ…ッ。そんで何の用だったんだよ」
「あ」
「何か言い残したことでもあるんか!?」(ワクワク
「最後に上りたくて」
「・・・は?」
「親方に頼んでもらおうと思ったんだけど、いいや。自分で話してみる。あ、手拭いありがとね」
そう言って走り去る常子。
鞠子「まさおくん」振り返る次男。
「仕事頑張って。立派な職人になってね」
美子「みきおくん」振り返る三男。
「悪さばっかりして、廊下で立たされないようにね。」
---
はしごを躊躇することなく登っていく常子。
親方「相変わらず大した度胸だ。女にしておくのは惜しいぜ」
その姿を見ていた鞠子と美子。「私も登る」「私も」と後に続く。
眼前には浜松の景色が一面に広がっている。
「もう、お別れだね」
真ん中に立つ美子は姉たちの手をぎゅっと握った。
櫓の上に上ると、どうしてもあの時のことが思い浮かぶ。
昔むちゃをして登って降りられなくなったこと。
トトが自転車で駆けつけてくれて。怒られて。でも
「自分で考え、行動したことは素晴らしいと思います」
褒めてくれた。
そして…
「常子にはととの代わりになって欲しいんだ…。かかや、鞠子、美子を守ってほしい」
大切な思い出を胸に、常子は故郷に別れを告げるのだった。
---
汽車の中、向かい合わせておにぎりを頬張る家族。
そこに見覚えのある影が…。
「ちょっと、ここ。座らせてもらっていいかい?」
「! おじさん!」
「びっくりしたぜー、家に行ったらもぬけの殻なんだもんよ。大家に聞いて、手紙もらっちゃったよ」
君子「だって、しょっちゅう色んなことに出てらして、どこに出したらいいか、分からなかったんですもの」
「ちょうどよかったぜ、俺も東京行くからさ、一緒に行こうぜ」
常子「あら、おじさんは新潟に行くんじゃなかったんですか」冷たい視線を向ける。
美子「また失敗したんだー(笑」
軽口をいう美子から握り飯を取ってやる。「あー!返してよー」
---
東京!祖母の家の周りは河があり、木がたくさん浮いている。
たくさんの男たちがせわしなく働いていた。
常子「木のいいにおいがするー♪」
「よそもんか?」じろじろ。上機嫌だった常子だが、遠巻きながらも不躾な目を回り中から向けられて戸惑う。
「なんで、みんな睨んでくるの?」
「地場の男たちはみんなこうよ。行きましょ」
哲郎含め一行は青柳家へやってくる。
哲「ずいぶんご立派な家だなー…じゃあ、俺はそろそろ行くわ」
「えっ」常子達が驚く間もなく立ち去る哲郎。「じゃあな~」
常「さては居場所を知るためについて来たのね」」
毬「また困ったらせびりにくるつもりよ、きっと」
後ろの騒ぎをよそに、君子は実家の玄関の立ち尽くしたまま動けなかった。
顔には緊張の色がにじむ。
「お店に何か御用で?…おじょうさま?君子お嬢さまじゃないですか!いやあ、お久しぶりで」
「あ…隈井さん。ご無沙汰しております。こちらは番頭の隈井さん。
私が小さいころからずっとお世話してくれていたの。
隈井さん、常子、鞠子、美子です」
「はじめまして」
嬉しそうに君子を向かえる隈井。だが、わざわざ迎えに出たわけではないようだ。
「この度は、お世話になります」
「え?」
「何も・・・聞いていないんですか?
そうですね。母にとっては私たちのことなんて取るに足らないことですよね」
---
玄関から上がろうとすると、大勢の店の者が出てきて、一堂に頭を下げた。
「おいでなさいませー」
長い廊下を渡る。たくさんの人がいて、とても大きいお屋敷だ。
家族は隈井に先導され、奥の部屋に通された。
「君子お嬢さまはそりゃあ美しくてねえ。近所のガキどもなんてチラッと見たらぽーっとなっちまって…っと、俺が話し込んでもいけねえ。女将さんを呼んできやす」
「あの!」立ち去る隈井を常子が呼び止める。
「おばあさまって・・・どんな方ですか?」
「女将さん、ですか・・・。こいつあ、難しい質問だ。
うーん、一言でいやあ、青柳家商店そのもの、ですかね」
「そのもの・・・」
ふたたび呼びに行こうと隈井は襖を開けると、そこには人影が。
「おっとっと。あ!女将さん!すみません。今呼びに行こうとしたところで」
背筋のすっと伸びた女性が部屋に入ってきた。
表情はなく、厳しい目を君子達に向ける。
「…ご無沙汰しております。この度はお世話になります。
こちらは常子、鞠子、美子です」
「「「はじめまして」」」
君子に続いて頭を下げる常子達。
こうして祖母と始めて対面をしたのだった。
つづく

感想!
昨日のとと絵でも見かけましたが、兄弟&哲郎ちゃんと回収されてよかったね。
とくに兄弟は笑えました。三男の目つきが最高です。
真央おばばのお顔は最後にやっと出てくるんですが、その姿勢だけで美しさが伝わってきますね。

恋の予感!? 4/20(水) 今日のとと姉ちゃん 第15話(第三週)

「よく来たね」
労いの言葉に戸惑う君子。
「浜松に比べて、東京は暑いかい?」
常「えっ!えっと、そう…ですね」
美「うーん、どっこいどっこいかな?」
「ははは、どっこいか。そうかそうか」
「……」
「…こんなに大きくなったんだね」
孫たちを見つめる目は優しげだ。
「お母さま。この度は私たちを快く受け入れてくださって、ありがとうございました。
本来なら、もう戻れない身ですのに…」
「よしとくれ、昔の話は。…おかえり、君子」
「―…!」
うぅッ 鳴き声は祖母の隣から聞こえる。隈井が泣いているのだ。
「良かったですね~、お嬢さん。ううっ」
「ああ、まったく。だからお前たちには黙っておいたんだよ。
君子達が帰ってくるなんて知ったら、舞い上がって仕事が手に付かなくなるだろ」
常子達に目を向ける。
「…お前たちも長旅で疲れたろ。ゆっくり休みなさい」
「ありがとうございます」
優し気な祖母の様子に、自然笑みがこぼれる常子だった。

---
夕闇が辺りをつつみ、店じまいを進める屋敷の奥。男たちのたくましい歌声が聞こえる。
常子達と祖母がささやかな宴を行っているのだ。
横には力強い店の男たちが、素朴な歌声を響かせていた。
それを聞きながら祖母・滝子はお酒を飲む。
窓際には風鈴が揺れていた。
---
浴衣姿で団扇を仰ぎつつ、窓からの景色を見下ろす君子。
隈井「いかがですか?久々の木場の景色は?」
「ずいぶん変わりましたね・・・」
「ああ、震災がありましたからね。あれでほとんどのもんはなくなっちまいました。
なんせ昼食時でしたから、あちこちから火が上がっちまって…家事もひどかったんです」
「あれは確か大正…」
「12年ですね」
「そう、10年かそこらでよくここまで立て直して…」
「みんな必死でしたから」
「そんな大変な時にお力になれず、申し訳ありません」頭を下げる君子。
「いやいや!お嬢さまには浜松の暮らしがあったんですから。
それに大変なのはお嬢さまも一緒でしょう。まさかあの竹蔵さんがあんなに若くになくなるなんて・・。それからさぞ苦労なさったんでしょう。」
「ふふ、娘たちが力になってくれましたから」
「お嬢さまは明日からお店に出るんで?」
「いえ、私は別のところで働き口を探します。これ以上、母に迷惑をかける訳にはいきませんから」
「相変わらず、しっかりしていらっしゃる」
感心する隈井。
「…本当は、ここに来るまでずっと不安だったんです。電話でも手紙でも、私たちを受け入れてくれると言ってもらえたんですが、母の本当の心はあって見るまで分からなくて。
もしかして、昔みたいに母の言いなりにされてしまうんじゃないかって心配してたんです」
「厳しかったですからね、女将さんのしつけは。箸や姿勢、頭の下げ方までご自分の思った通りになさらないと、叩いてらっしゃった」
君子を呼びに来た常子。二人が話しているのに気づくと、話の内容からつい隠れてしまった。
そのままじっと聞き耳を立てる。
「でも、女将さん少し変わられましたよ。たぶん、お嬢様が家を出て行った頃かな?
いや 物言いは相変わらずのきつさなんですけどね、こう人にご自分の考えを押し付けなくなったというか。お前どう思うんだい、と言った感じで一言ふえてねぇ。
きっとお嬢さまが出ていって思うことがおありだったんでしょう。
長く離れてらっしゃったんだ。その時間を取り戻すようにゆっくり時をかけて仲直りをなさったらいいんじゃないですか?」
「かか!」
「常子、どうしたの?」
「いえ…お布団が敷けたので呼びに来たのです」
「まあ、ありがとう。今行くわ」
---
寝室。布団を敷いた片隅で、家系図をのぞき込む姉妹と君子。
「えーっと、この方がおばあさまと再婚なさった方よね」
「そうよ。ただ五年前に亡くなられたそうで、それからはおばあさまがお店を仕切ってらっしゃるわ」
その君子の義理の父との間に「清」という名がある。
「この方はたしかそのおじい様との間に養子にいらしたのよね。ということは…かかの…弟?」
「ああ。…そうなるかしらね。私も直接お会いしたことがないから、どんな方は分からないけれど」
「かか。かかの本当のお父様はどんな方だったんですか?」
「とっても優しい方でしたよ。一回も叱られなかったわ。その代り、お母様にはたくさん叱られたのだけど」
美「かかでも叱られるの?」
「ええ、小さいころはね」
「カカにも子供の頃があったんだ。うふふ、不思議な感じ!」
「どんな子供だったんですか?」
「それは、とっても美人でしたよ」
くすくす笑い合う姉妹たち。つられて君子も笑う。
こうして東京の初日は穏やかに過ぎたのだった。
---
翌朝。
忙しく働く男たち。
身支度をしてひとり外に出てきた常子はその様子に胸を弾ませる。
その中には祖母と隈井の姿も見える。
材木の運搬の手はずを整えてるようだ。
とそこへ、スーツ姿の男性が通りかかった。
男は青柳商店へ入ろうとする。
「あの、うちに何か御用でしょうか?」
「?うち? 私はここの主人ですが」
「・・・あ!もしかして、清さん!?」
「!ああ、君がもしかして浜松から来ると言ってた、ええと」
「はい、長女の常子です。よろしくお願いします」
元気よく挨拶をする常子に意味ありげな視線をよこす清。
「ふーん」そうしてグイッと近づいて顔を覗き込む。
「なっ???なんでしょうか」
「いや、君が想像していたよりもずっと…美しかったからさ」
そうしてお店へさっと姿を消してしまう。
思いがけないセリフに常子は胸を高鳴らせるのだった。

つづく


感想!

常ちゃん、ちょろ過ぎんだろー!!(爆
東京は怖い男がたくさんいるんだから、こんなにコロッとときめいてちゃダメー!
しかし鈍い常子にはこのぐらいストレートに言った方が効き目があるんですねー。
玉置君、勉強になったね。
話のテンポは少し落ちたけど、まずははじめての風景を常子の視点から丁寧に描いていきたいってことでしょう。
くらべちゃいかんけどあさが来たとはスケールが違うなぁ。
なんだろう、このリアルさ。まあ、あっちはコメディテイストではあったけど。
早く東京編が動き出してほしいです♪

清が痛い子だった件 4/21(木) 今日のとと姉ちゃん 第16話(第三週)


青柳家にきて一週間。
常子と鞠子は夏休み明けに控えている編入試験に向けて勉強に励んでいた。
横では美子も一緒に勉強している。

ただ常子は清のことが気になって勉強に身が入らないのだった。

常「はー…」

美「どうしたの?」

「んっ?何でもないよ」

「わかった」

「!」

「天ぷら」

「!?」

「今日のお夕飯、天ぷらだよ。私もお夕飯のことが気になってため息が出ちゃうことあるもん。特にここのおうちご飯が美味しいし♪
ね?お夕飯のこと気になってたんでしょ」

「う、うん」

「今日は天ぷらだよ。清さんがそう言ってたもん」

「! 清さん」

「清さんって私たちのおじさんなんだよね。でも哲郎おじさんとは大違い。
おしゃれだし、東京の人って感じ」

「そうそう!そうなのよね~」

滝「おや、勉強してたんじゃなかったのかい?(怒」

固まる常子&美子。鞠子はずっと黙々と勉強をしている。

「ほら、鞠子はちゃんと勉強してるじゃないか。あんたらも見習ってもっとがんばりな!」

「「ハイッ」」
---

君子「いかがでしょうか?」

履歴書を見ながら、眉をしかめているのはこの会社の社長だろうか。

「んー…、悪いけど…うちじゃ難しいね」

「お願いします!この数日、方々を回ったのですがどこも断れて…

何でも致しますから、どうかもう一度考えて頂けませんか」

「はーっ。じゃあはっきり言うけど、…年がね。

40女なんて雇ってどうするんだい。同じことしてもらうなら、若い子をとるよ」

「…」

---

青柳商店。店の廊下を常子と鞠子が歩いていく。

常子「はあ~~~ッ勉強し過ぎた。いいなぁ鞠ちゃんは。うれしいでしょ、おばあさまに褒められて」

「そりゃあ、悪い気はしないわ」

すると、中庭に面した縁側に清がグラスを持って座っている。それに気づき、常子は歩みを緩める。

つづいて鞠子も清に気づいた。

「やあ」

「あっ、清さん。母をみませんでしたか?」

「いいや。見てないけど。」

「まだ帰ってきてないのかしら。ちょっと隈井さんに聞いてくるね」

「あっ 毬ちゃん…ッ」

立ちすくむ常子。

すると、横から大きなため息が聞こえた。

「はーーーーっ、まいったなぁ」

「… … どうかしましたか?」

「あっ、ごめん。聞こえちゃった?」

「何か…おつらいことでも、あったんですか?」

「いやあ、つらいって言ってちゃいけないんだけど、仕事が忙しすぎてね。でも仕方ないんだ。
僕の指示がないと仕事が進まないから」

「すごいですね…。お若いのに、任されて」

ニコニコする清。

「もう少し手が抜ける性格だとよかったんだけどね。そうできない自分がうらめしいよ」

「はあ」

そうこうしている内に鞠子が戻ってきた。

「とと姉。かかを迎えにいこ」

---

ため息をつきながら家路につく君子。

帰り道に「森田屋」というお店を見かける。何とはなしに眺めて、またため息をつきつつ歩き始めた。

「「お帰りなさい!」」

とぼとぼと歩く君子を常子と鞠子が温かく出迎える。

常「お仕事はどうでしたか?」

「今日も駄目でした。あっでも心配しないでいいのよ。大丈夫だから」

「…」

家の前までくると入口のところに滝子、美子、隈井もいる。

美「お帰りなさい」

滝「ごくろうさん」

母に優しい言葉を掛けられてか、徒労に終わった自分には労いの言葉が相応しくないように感じたのか、戸惑う君子。

「さあさあ、みんな中へお入り。食事にしようじゃないか」

そこに通りかかったのは一人の女性。滝子と同年代だろうか。

「あら、これは青柳さん、おばんです」

「森田屋さん、おばんです」

「こちらは?」「娘と孫たちです」「へええ、それはそれは。よろしくね」

君子「よろしくお願いいたします。最近、お店を開かれたんですか?」

まつ「うちんとこは、浅草でこれでも80年お商売させて頂いた老舗なんですけどねえ」

「あっ、すみません!」

滝子「そうだよ。森田屋さんのような老舗にそんな失礼な子と言っちゃいけない。
なんといってもうちは200年しか続いてないんだからね」

睨み合う老女たち。

「これは青柳さん、今日もキレイなお召し物を着てらっしゃって、若作りがお上手だ。どこの七五三かと思ったよ」

「いいええ。森田屋さんこそ素敵なお召し物を着ておいでで。いったいどこから拾って来たんでしょうねえ」

そうして睨み合うと、「それじゃあ」といって、ぷいっとまつは行ってしまった。

一方、滝子も奥へ引っ込んでしまう。

急に始まった火花の散らし合いに戸惑っている常子達に隈井がコソコソと声をかける。

「あの2人、犬猿の仲なんです。
どっちが犬で、どっちが猿か、…分かりやすか?ん?はっはっは、くわばらくわばら」


そうして笑いながら立ち去るのだった。

鞠「あの2人、ちょっと怖いね」

美「でも、おばあさまは優しいよ。ほら、勉強を頑張ったご褒美だって言ってくれたの」

そういって紙に包まれたお饅頭を見せる美子。

鞠「ずるーい。私だって勉強頑張ったのに」

美「じゃあ、私が頼んであげる。鞠ちゃんもずっと勉強してたから、きっと貰えると思うよ」

「え?あ、美子」

祖母を追いかける美子の後に続き、店へ入っていく鞠子。

「よかった。あなた達がお母様と親しくなってくれて。…さあ、私たちも入りましょう」



---

「いただきます」

テーブルには山盛りの天ぷら。めいめいが美味しそうにそれを頬張る。

食卓を囲むのは、滝子、君子、姉妹に清だ。

「はー・・・」

食事中、常子の隣に座る清が大きなため息をついた。

「どうか、しましたか?」

「いや、実は昼も天ぷらを食べたんだ。付き合いで避けられなくってね。
銀座の有名店なんだけど…」

「しゃべってないで、早く食べたらどうだい」

すぱっと横から滝子が口を挟む。

その後は大人しく食べ始めた清をみて、常子は(ん?)と疑問を持つ。

思っていた人と、何か違うぞ?


---

寝室で姉妹が布団を敷いている。

「あれって、つらそうに言ってたけど、絶対に自慢だよねー」

「そうそう、この前も使いづらいって言いながらアメリカのライターを嬉しそうに使ってたよ」

「清さんって話すたびに幻滅していく感じがするなぁ」

「通りかかるとき、話を聞いてもらいたいっていう雰囲気出すよね」

「そうそう!こう… ふーっ、あ、ごめん、聞こえちゃった?」

「あははは」

君子「あなた達、まだ寝てないの?」

美子「かかは寝ないの?」

「私はまだやる事があるから…あなた達はもう寝なさい」

常「かか!

・・・あの、まだお仕事、決まってないんですよね?

何か…私にお手伝いできること、ありませんか?」

にこりと笑う君子。「大丈夫。心配ないから。おやすみなさい」

「…」

---

翌日。

また縁側に清が座っている。手にグラスを持つのも以前と同じだ。そして

「はーーーーっ」

常子は聞こえないふりをして通り過ぎようとする。

「はあーーーーーーー!」

「…何か、あったんですか?」

「あ、ごめん。聞こえちゃった?

実は今夜も接待攻めに会いそうでさ。まあどうしてもって言われたら会わない訳にはならないからね。

あ、接待相手っていうはあの双葉山関なんだけどね。実は双葉山とツーカーの仲なんだ」

「…(;・∀・)」

「この仕事してるといろんな人と会うんだよね。

まあ、人脈が財産っていうのかな」

「!」

「まあ、人脈があるのは僕の性格のおかげもあって~」

嬉しそうに延々と話す清だが、その横にはすでに常子の姿はなかった。

---

滝子の部屋。一人、帳面を付けている。

常「おばあさま」

「・・・どうぞ」

襖を開け入る常子。膝を付き滝子の方を向く。

「お仕事中に失礼します」

「何か用なのかい?」

「…おばあさまが外回りに行く機会があればご一緒させて頂くことはできませんか?」

「!」

仕事の手を止め、常子を見る滝子。

「どういう風の吹き回しだい」

「母は今も仕事を探しているんですが、なかなか見つからないようなんです。

清さんに言われて、このお仕事ではいろいろな人に会うって聞きました。

もしかしたら、その中には人を募集している人もいるかもしれない。

そんな方がいたら、紹介して頂きたいんです」

「君子に頼まれたのかい?」

「いいえ。私の一存です」

「娘のあんたがどうしてそこまで…」

「家族のためにできることは何だってしたいんです!」

曇りのない瞳。その表情をみて、滝子は立ち上がる。

「付いておいで」

つづく



感想!

清さんがけっこうダメな子でした(笑

いや、嫌いじゃないよ。扱いやすいし、可愛いしね。

それにしても常ちゃんの恋心が一日で砕け散ってホッとしました。その気持ちは来るヒロインがくるまでとっておいてね(*´▽`*)

あと今日は子どものケンカをする滝おばあちゃんも見れて眼福でした。

これもツンデレですか?ギャップ萌えというやつですな。


「祖母のとなりで勉強中」 4/22(金) 今日のとと姉ちゃん 第16話(第三週)


祖母に付いてお客まわりについて来た常子。

「あの、私は何をすれば…」

「黙って見てりゃいい」

「…」まわりを見渡す常子。

すると、店の主人が駆け込んできた。

「これは青柳さん、お待たせしてしまって申し訳ない」

「挨拶はいいよ。…それよりも、支払いがずいぶん遅れてるみたいだけど?」

「それなんだが…もうちっとだけ待っては貰えねえかい?近い内に金が入ってくる宛はあるんだ」

「…。邪魔したね」

そう言って立ち上がる滝子に慌てて常子も続く。

---

「どう思う?」

「え…先ほどの支払いを待ってほしいという話ですか?

大丈夫だと、思います」

「ほう?どうしてだい」

「あのお店は掃除もきちんとされていたし、女中さんたちもきちんと仕込まれていました。きっと大将がしっかりした方だからだと思います。
そうしたちゃんとしたお店なら口先だけでごまかすような商売はしないはず。大将の話も信じていいのではと思います」

「…。そうかい」

---

君子。神社にお参りに来ていた。

ずっと仕事を捜し歩いているものの、未だに見つからないのだった。

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鞠「ただいまー。はー…。まいっちゃうな~。

…あ、聞こえちゃった?大変っていうのは仕事なんだけどね。

まあ100件営業に行ったくらいで根を上げちゃあいけないよねえ」

常「わかった(笑)清さんでしょ?」

鞠「うふふ」

美「だめー!とと姉ちゃんは赤ちゃんなんだからしゃべっちゃ!ほら寝てて。

まあ~、大変でしたわね。今ごはん、ご用意しますわ」

姉妹は美子のおままごとに付き合っていた。

常「…ね、でもおばあ様って気前がいいよね。美子にはおもちゃ、私たちにはハンカチをくださって」

美子の手にはおままごとのまな板に包丁、そして自分の胸元にはよだれかけに見立てたハンカチがひらめいている。

鞠「そうそう。それにちょっと不思議なんだけど、きちんと私たちの好みの色をくださったし」

美「だーかーら!赤ちゃんはしゃべっちゃ駄目なのー!」

そこに滝子が通りかかる。

「あんた達、勉強はもう済んだのかい?」

常「は、はい。今はちょっとした息抜きというか…」

「じゃあ、常子ちょっと付き合いな」

「え?」

「仕事だよ」

---

青柳商店。客の相手を滝子がしている。

「いやあ、面白かったよ。浅草は。この前、若いのと遊びに行ったんだけどねえ」

「まあ、そんなに楽しいならぜひ私も連れて行ってくださいな。

よろしければ、この常子も」

「は、はあ」

なごやかな談笑もきりが付き、脚が腰をあげる。その時に何でもない感じに滝子が一言。

「ところで、浅草にはどなたとご一緒されたんでしょうかねえ?」

「ああ、下川屋の若旦那さ。

青柳さん、じゃあよろしくお願いしますよ」

「ええ、お任せ下さい。天然乾燥のいい木材をご用意していますので」

「ははは、これは頼もしい!やっぱり新築には木曽のヒノキを使いたくってねえ」

「出来上がりを楽しみになさってください」



---

「隈井」「へいっ」「?」

客が帰るやいなや、番頭を呼びつける滝子。

「下川屋とは…もう潮時かもしれないねえ」

「へえ」うなずく隈井。

「行くよ、常子。外回りだ」

「は、はいッ」

---

「先ほどの話はどういうことだったんですか?」

「…。

最近、あちこちで遊びに行った相手を聞くと、下川屋の二代めの名前があがる。噂には聞いてたが、本物の道楽者だ。
あんなのが二代目についたら、あの店も先はないだろう。
やけどをしない内に手を引くのが一番なのさ」

感心する常子。そして何かを考え込む。

「!

・・・おばあさまのお仕事は、あちらこちらで情報を集めて、先行きを判断することなんですね」

「・・・」

「あ、違いましたか」

「いいや、違わない。大当たりさ。

はっはっは、大した子だよ、あんたは」

---

青柳商店。

隈井「これ、化粧しとけ」「ヘイッ」

コソコソと動く気配を感じ、隈井が振り向く。

「どうした、何かあったのか?」

その中で一番目上の者が答える。

「いや。大丈夫です。あっしが話を付けときやしたんで」

「・・・」

男たちが立ち去っていく。気になりながらもそれを見送る隈井。

男たちのいたところにはきれいに仕上げられた柱が置いてあった。

---

「君子は浜松では何の仕事をしていたんだい」

「染物工場の女工です」

「給金は?それできちんと食えてたのかい?」

「いえ…でも、父が亡くなってからは会社に援助してもらっていたので、何とか」

「…そうかい」

ふと見れば子を連れながら重い荷物を抱えている母親が向こうで歩いている。

その様子を見ながら滝子はいった。

「何の力もない女が生きていくには、今の世の中は不便だね。

ごく普通の暮らしをすることもままならないんだから…。

私はね、ごく普通の暮らしを守ることが、私の仕事なんだと思っているんだよ。

そのために壊れないような丈夫な柱を作ってあげる。

それがまあ、この仕事のやりがいっていうか、意地なんだ」

「・・・素敵なしごとですね」

「ええ?よしとくれ。お前にそう言われたくて言ったわけじゃないんだ」

「いえ。父もよく言っていました。
なんでもない日常こそ、大切でいとおしいって…」

「そうかい。…行こうか」


---

店に帰ってきた滝子と常子。

それと入れ違うように奥に消えていったのは従業員か。

立ち去り際に「よかった。あの2人に知れたら面倒なことになってたからな」と聞こえた。

立ち尽くす滝子。

すると、きっと表情を変え裏口へとさっそうと歩いていく。

裏口に出ると横たえた柱の前にひとり、男がいた。

「おかみさん!」

「戸田」

常子が遅れて裏口へやってきた。

きれいに仕上げられた柱を見て歓声をあげる。

「わあ、きれい!」

「あんたに聞きたいことがある。

これが木曽のヒノキなのかい」

「…」

「どうなんだい?」

「いえ、ひばです」

常子「ひば?」

騒ぎに隈井も駆けつける。

「こいつぁ、ヒバじゃねえか。おい、どうしてこんなことになった!?」

「…ここまで仕上げてから、気づいたようで…。

でも、女将さん。正直なところ客にゃあヒノキもヒバも見分けがつきやせん。

青森産のヒバだって木曽のヒノキに負けないくらいの高級品です。

このままこれを送らなきゃ、うちは大損ですぜ?このヒバもみすみすゴミにしちまうようなもんだ」

「寝言言ってんじゃないよ!!

いいかい。お客さんが木曽のヒノキっていったら、青森産のヒバだろうが何だろうが、それ以外は送っちゃいけないんだよ!
うちはそうやって200年、ずっと看板を守ってきたんだ。
お前はその看板に泥を塗る気かい?ええ!?」

「・・・!」

隈井「何やってんだ。さっさと動いて明日までに仕上げろ。さもねえとお前くびだぞ」

慌てて走り出す戸田。

戸惑う常子に、にこりと滝子は笑いかけた。


---

「お母様、君子です」

「ああ、入りな。悪かったね、忙しいのに呼び出して」

仕事の手を止め君子の前に座り直す滝子。

「いえ。ところでどう言った御用ですか?」

「常子のことさ。

あの子はいい。頭もいいし、機転もきく。人を見る目もある。
はっきり言おう。
あの子を清の嫁にしようと思っているんだ。
そして店を任そうと思う」

そんな話がされているとはつゆ知らず、常子は美子のままごとに付き合って笑い声をあげているのだった。

つづく




感想!

常ちゃんに嫁話きたーーー!

いや、これも悪かない話だと思いますよ?清さんもかわいいし、おばあさんとも気が合うし。

ただそうなると、雑誌が作れなくなっちゃうからね。

この話は白紙でしょう。

そうなると、これ以上この家にご厄介になるわけにゃいかないわな。

公式バレの通りになってきましたな。



今日の注目:鞠ちゃんのものまね超絶可愛い。


「母娘決裂!」 4/23(土) 今日のとと姉ちゃん 第17話(第三週)


常子を清の嫁にしたい、そしてゆくゆくは青柳商店を任せたいと伝えた滝子。

「何も級にどうこうしようってわけじゃないんだ。ここで過ごすうちにゆっくり学んでいけばいい」

君子「…やはり、変わっていなかったんですね。はじめから、子供たちの誰かをここの跡継ぎにするつもりで、それでここに住まわせてくださったんですね!」

「ちがうよ。ここで共に暮らしていてあの子を見ている内にそう思うようになったんだ」

「信じられません…!
お母様のお話はお受けできません。子供達には自分で進む道を決めてほしい。
竹蔵さんともよく話していたんです。
小さくとも一人の人間。この子たちひとりひとりの思いを大切にしてあげたいって。
そうして、幸せな道を見つけてほしい…」

「甘いよ!

女なんてもんは、普通の暮らしをするだけでも苦労しちまうんだ。
何も私はあの子にここの200年の伝統を押し付けようとそれだけを考えて、この話を持ち出したんじゃないんだよ。
ここにいりゃ、食うに困ることはない。
女はまずは暮らしを落ち着けて、やりたいことなんてもんはそれから始めればいいんだ。

大体め、じゃあどうしてそうやって出て行ったお前が、今こうしてこの家に戻ってきたんだい?
悪いこたぁ言わない。私に任せなさい」

「…私はそうは思いません!竹蔵さんと暮らしたあの時間は…決して無駄なものではありませんでした…。

お母様、申し訳ありませんが、このお話はお断りさせて頂きます」

「…そうかい。それじゃあ、出ていったらいい。

出て行って、お前のいうそのやり方で幸せな人生というやつを歩んでおくれ!」

「…。お世話に…なりました」

---

3姉妹は楽しそうに美子のままごとに付き合って遊んでいた。

「あ、かか!かかも一緒に遊んでください」

「……」

なかなか言い出せない君子。でもやがて観念したのか、姉妹に向かい合って正座をする。

「…みんな、ごめんなさい。私たちはこの家を出ていくことになりました」

常「それは引っ越すということですか」うなずく君子。

「えっ…どうしてですか」「もうおばあさまに会えなくなっちゃうの?」悲しみと不安から顔が曇る鞠子と美子。
君子は答えられない。

常「…よし」常子はそんな姉妹の肩を温かく叩く。

「じゃあ、荷造りしなくちゃ。かかが決めたことなんだよ。理由が何であろうと、私たちのためを思ってのことに決まってるじゃない。ね?」

その言葉に、思うことはあるだろうが妹たちもうなづいた。

---

大荷物を抱え青柳商店を後にする。

行く当てはないが先頭を颯爽と歩いていく常子につられてか、家族に悲しげな様子はなかった。

君子「あ、ねえねえ。ちょっと待って」

何かを見とがめた君子が皆を呼び止める。指さす先には女中募集の張り紙。

しかしそれが貼ってあるのは、寄りによって青柳商店の真裏、さらにいえば滝子の天敵のまつがいる森田屋だ。

「え…でも」

「行ってみましょ!」

---
青柳商店の娘孫が求人に応募しにきたとしり、はじめは目を白黒させたまつだが、とりあえず面接をすることに。

「お願いします!」

まつ「ふーん、家族4人ねえ…。…。…わかった。子ども達のごはんも賄いから出すならその分給金から天引きするからね。
あと、弁当をひっくり返したりしても同様だ。
部屋に案内するよ。付いといで」

通されたのは上の階の一室。長く使ってないようで埃だらけだ。

「なんだい、文句でもあるのかい」

常「いえ!…趣のある部屋だなーって」

「ふん、掃除はきちんとしてきれいに使っとくれよ」「「「はい」」」

まつが去った後、部屋の様子に怯える妹たち。

「襖の奥…怖い虫とかいそう…」

常「大丈夫! 住めば都っていうじゃない」

君「掃除をしましょう」そう言って換気のために窓を開けた。

---

青柳商店

隈井「いいんですかい。追っかけなくて」

滝「いいんだよ」

ずっと問答を続けている。滝子が外の作業場に出ていっても、隈井はしつこく食い下がった。

「でも売り言葉に買い言葉でしょう。やっぱりあっしが今からでも後を追って」

「必要ないって言ってるだろ!」

「…女将さん、わたしゃね。嬉しかったんですよ。

お嬢さんたちが帰ってきてくれたのはもちろんなんですが、何よりもご家族が増えて…女将さん、そりゃあ楽しそうな顔を良くするようになったんだ。

ここで縁が切れちまえば、お嬢様たちとは一生会えなくなるかもしれない。

それでも、本当にいいんですか!?」

「……。

…そうだね、じゃ、じゃあ、居場所だけでも見つけてきてもらおうか」

ようやく正直になった滝子に嬉しそうにヘイッと声を上げる隈井。

そうして何気なしにチラッと上を見上げると…

「あ」

「あ」

2人の視線の先には、気持ちよさそうに窓から風を浴びている君子の姿。

視線が合って慌てて窓をしめて奥に引っ込んだのだった。

---

まつ「おーい、あんた達、手伝いにきな!」

常「え?え?」「早く!」「「「はいっ」」」

4人、家階下に降りて厨房へ行く。

「手が足りなくなってね。さっそく手伝っとくれ」

厨房には女性2人、男性2人の姿が。何故かみんなこちらを睨みつけている。

なぜそんな目で見てくるのか分からず戸惑う常子なのだった。



感想!

滝子vs君子のバトルは見ごたえありました!

どちらの言い分も一理あるだけに…難しいですよね。でも私はどちらか言うと滝子さんよりかなぁ。
やはり、現実は甘くないですもの。夢だけじゃ生きていけない。
そして今回の場合は君子さん自身の問題ではなくて、子供たちの問題なんです。
自分で選んだ道なら、最悪、野たれ死にでも責任は自分のものと納得できても、親が選んだ道とすると…これはやっぱり賛成できない。

親はまず子供に食べさせる義務があるのですから。

福祉や児童手当のある、今の時代でもシングルマザー3人だと厳しいですよ?
ましてや、女の働き口が極端に少なさそうな時代ですからね。

ただ、そこはヒロイン補正で絶対に何とかなるんですが(笑


今回の君子・滝子・隈井の「あ」と目が合ったところは爆笑モノでした!
このドラマのコメディ部分大好きです!
大げさじゃないんだけど、間と流れで思わずくすりとさせられる。

さてさて、森田屋での生活はどんなものになるのでしょうか。

次週も楽しみです。


今日の注目:ピエール滝の板前姿にデジャヴ